弁護士保険ミカタとは

元配偶者が再婚!養育費はどうなる?養育費が打ち切りになる3つの条件を徹底解説

元夫が再婚するようだ…。

このような風の噂を聞くケースがあるでしょう。そんなとき真っ先に頭によぎるのは子どもの養育費についてです。もしも元夫が再婚したなら養育費を払ってもらえなくなるのではないだろうか、と不安になるのは当然のこと。

子どもを健やかに育てるためのお金ですから、元夫の事情で失われるわけにはいきません。それではまるで元夫の幸せと引き換えに子どもが不幸になるようなものです。

今回は、小さな子どもを抱えたシングルマザーに向けて、元夫が再婚した場合の養育費がどうなるのかをご紹介します。

ぜひ参考にしていただいて、元夫から養育費の減額や支払いの打ち切り要請に備えてください。

目次

元夫が再婚をした場合、養育費の支払いは打ち切り・減額になるのか

元夫が再婚した場合、養育費の支払いは打ち切られる、または減額されることはあるのでしょうか。

これについては、元夫の再婚程度ですぐさま養育費が打ち切りになったりはしませんので安心してください。一度決まった養育費を減額または打ち切りにするためには、相応な「やむを得ない事情」が必要となります

とはいえ、確実に打ち切りされないわけでもありませんので、養育費が打ち切り・減額になる条件を見ていきましょう。

そもそも養育費の意義とは?

そもそも養育費とは、子どもを監護・教育するために必要になるお金を指します。そして養育費の意義とは、養育費によって親として子どもを健全に育て上げ親としての責任・義務を果たすこと。

ですから、養育費は親として支払うのが当然の義務であり、子どものためには当たり前の行動といえるでしょう。自分が再婚するからといって、その義務を簡単に放棄できるものではありません。

子どもが健全に成長するためには必要不可欠なお金ですから、子どもを監護している親は確実に養育費を受け取っていかなければいけません。それが子どもの将来に渡っての幸せにもつながっていきます。

日々の生活や子どもの将来の為に、相手に言われるがままに養育費を放棄せず、確実に受け取っていきましょう。

元夫が再婚し養育費が減額・打ち切りになる3つの条件

元夫が再婚して養育費が減額もしくは打ち切りになる可能性のある3つの条件をご紹介します。下記3つに該当したなら減額・打ち切りの可能性がありますので注意が必要です。

  • 元夫が再婚し、再婚相手が無収入の場合
  • 再婚相手に子どもがおり、元夫と養子縁組をした場合
  • 元夫が再婚し、再婚相手との間に子どもが生まれた場合

1.元夫が再婚し、再婚相手が無収入の場合

元夫が再婚し、再婚相手の女性が無職で無収入だった場合には、養育費の減額もしくは打ち切りの可能性があります。なぜかというと、元夫に再婚相手を扶養する義務が生じて元夫の扶養負担が大きく増えるからです。

元夫の収入が離婚時のままなら、扶養できる能力には限りがあります。話し合いで交渉されたなら認めざるをえない事情に該当する可能性も。

もちろん、元夫の現在の収入にも左右されますので必ず養育費が減るわけではありません。

状況次第で養育費の減額や打ち切りの可能性が否めないということです。

2.再婚相手に子どもがおり、元夫と養子縁組をした場合

元夫の再婚相手に子どもがおり、元夫と養子縁組をして元夫に子どもの扶養義務が生じた場合も、上記と同様です。養子縁組をしなければ元夫には再婚相手の子どもを扶養する義務は生じません。

ですので、このケースの場合には元夫が養子縁組を行うかどうかがキーポイントになるでしょう。

ただ単に、元夫の再婚相手に子どもがいるだけではあなたの子どもの養育費には何ら影響しませんので安心してください。

<養子縁組とは>
養子縁組とは、元夫と再婚相手の子どもの間に親子関係を生じさせる手続きのことです。再婚しただけでは元夫と再婚相手の子どもには親子関係は生じず扶養義務も発生しません。詳しくは後述 します。

3.元夫が再婚し、再婚相手との間に子どもが生まれた場合

元夫と再婚相手との間に新たに子どもが生まれて元夫に扶養義務が生じた場合には、養育費の減額や打ち切りの正当な理由になってしまいます。打ち切りまではいかなくても、立派な減額できる理由に該当するので注意が必要です。

元夫の年収とあなたの年収にも関わりますので、このケースの場合には冷静に養育費算定表に基づいて算出していきましょう。

元夫が再婚しても養育費が減額・打ち切りにならない3つの条件

元夫が再婚しても養育費が減額や打ち切りにならないための条件も3つありますので、見ていきましょう。

1.元夫の扶養義務の負担が大きく変わらない場合

元夫の扶養義務の負担が大きく変わらない場合には養育費には何ら影響しません。つまりは再婚相手の女性に立派な収入があり、元夫の扶養義務負担がさほど増加していないケースです。

あなたの子どもの養育費には影響しないのでご安心ください。

2.元夫の収入が著しく増えた場合

元夫が再婚しても、再婚した当時の元夫の収入が離婚当初よりも著しく増加していた場合にも、養育費の減額や打ち切りにはなりません。むしろ交渉次第では増額も期待できるでしょう。

ですが、元夫の再婚を理由にむやみに養育費の増額請求はしない方が無難です。明らかに元夫の収入が著しく増加したという証拠がなければ交渉してもやぶへびになるかもしれません。その後、元夫と再婚相手に子どもができた際にこれ幸いと養育費の減額交渉をされてしまう可能性もあります。

現在の養育費で満足している場合には、余計な交渉はせずに様子を見守っていきましょう。

3.自分の収入が著しく減少した場合

あなた自身の収入が著しく減少していた場合にも、元夫の再婚で養育費を減額にはできない正当な事情に該当します

養育費とは、元夫婦の収入事情で費用が算出されていきます。ですから、元夫の扶養負担がいくら増加しても監護権のあるあなたの収入が著しく減少してしまえば子どもの養育は元夫がしっかりサポートしていく義務があるのです。

もしも病気や怪我などの事情であなたに子どもを養育していくことが難しい場合には、遠慮なく元夫に相談していきましょう。ただし、親権争いをした結果の離婚なら親権を奪われかねないので慎重な交渉が必要です。

その他養育費が減額・打ち切りになる条件

その他養育費が減額・打ち切りになってしまう可能性がある条件がいくつかありますので見ていきましょう。

扶養義務のある子どもが未成熟子ではなくなった場合

扶養している子どもが成人し未成熟子ではなくなった場合には養育費を元夫が支払う義務は消失します。ただし、養育費を決めた時点で「大学を卒業するまでは養育費を支払う」などの取り決めがあった場合にはその限りではありません。

一般的には、養育費の支払義務は子どもが成人するまでです。特別な取り決めがなければ子どもが未成熟子でなくなった年の3月までは支払われますので安心してください。

2022年から成人年齢を18際に引き下げる法律が施行されますが、養育費に関しては今のところ満20歳までとなる方針です。

元夫の収入が著しく減少した場合

元夫の収入が著しく減少したケースでも養育費の減額や打ち切りがなされてしまう条件になってしまうでしょう。

ただし、勝手な事情で会社を退職し無職になった場合や、フリーランスになると言って退職し収入が著しく減ったなどのケースでは、やむを得ない事情の収入の減額とは認められていません。

やむを得ない事情とは、夫が病気を患い著しく収入が減少したケースや会社の倒産などによって「元夫には責任がなく収入が著しく減った場合」などを指しています。必ずしも夫の収入が減少しただけでは養育費の減少や打ち切りにはなりません。

例えば、元夫が再婚を契機に住宅ローンを背負ったとしても、それは元夫の勝手な事情によるもので、収入が減少したやむを得ない事情とはならないのです。養育費には何も影響しないのでご安心ください。

自分の収入が著しく増加した場合

あなた自身の収入が著しく増加したケースでも養育費の減額や打ち切りの正当な理由に該当する可能性があります。ですが、あなたの収入が著しく増加しているとは元夫からは分かりません。

ですから、このケースではあまり養育費の減額や打ち切りの交渉を持ちかけられるケースは少ないといえるでしょう。

養子縁組とは

先ほど、「元夫が再婚相手の子どもと養子縁組をした場合には養育費の減額や打ち切りの可能性がある」と解説しましたが、そもそも養子縁組とはどういうことでしょうか。

実は、再婚相手に子どもが居たとしても、再婚しただけでは元夫と再婚相手の子どもの間に親子関係は生まれません。法的には赤の他人ということです。元夫に再婚相手の子どもの扶養義務は生じません。

しかし、元夫と再婚相手の子どもが養子縁組をすることで元夫と再婚相手の子どもには親子関係が生じます。元夫に扶養義務が生じるということです。

ですが、普通養子縁組の場合、いくら元夫に新たな親子関係が生じたとしても、あなたの子どもと元夫との親子関係が解消されるわけではありません。

したがって、再婚相手の女性の子どもと女性の元夫との間の親子関係も残ったまま。

再婚相手の女性が再婚相手の元夫から養育費をもらっている場合はあなたの元夫の扶養負担が大きく変わるわけではないのです。このケースの場合には養子縁組をしたとしても、あなたが受け取る養育費には何ら影響しない可能性があります。

自分が再婚した場合にはどうなる?

もしもあなた自身が再婚した場合にはどうなるのでしょうか。

考え方は上記と同様で、あなたが再婚したとしても、元夫とあなたの子どもとの間の親子関係は解消されません。ですから元夫の扶養義務はいつまでも続くのです。

しかし、あなたの再婚相手とあなたの子どもが養子縁組をした場合には再婚相手にあなたの子どもを養育する義務が生じます。元夫に養子縁組のことを話さなければ、2重で養育費を支払ってもらうことも可能。ですが、あなた自身の良心が痛む可能性もあるでしょう。

このことから、あなたが再婚した場合、養育費の減額・打ち切りの隙を元夫に与えないためには、再婚相手との間では養子縁組をしない方が無難なことが多いです。

しかし、養育費の面ではもちろんそうですが、養子縁組をしない限りあなたの子どもと再婚相手との間には親子関係が生じないことになってしまいます。

確実に再婚相手にあなたの子どもの養育をお願いしたいなら養子縁組を行った方が後々後悔せずに済むでしょう。そして養子縁組を行うことであなたの子どもにも相続権が生じることになるのです。

元夫の養育費をいつまであてにするよりも再婚相手との間に親子関係を作ってあげた方が子どものためには幸せではないでしょうか。普通養子縁組を行っても実親との親子関係は解消されません。つまりは元夫との間にもいつまでも親子関係は残るのです。

相手から減額・打ち切りの申請が来た時の対処法

元夫が再婚したことを契機に養育費の減額もしくは打ち切りを申し入れされた場合の対処法をご紹介します。手順に沿っていけば大丈夫。冷静に対処することが大切です。

まずは話し合い

まずは元夫の言い分を受け止めて話し合いを行いましょう。

本当に養育費を減額したり打ち切りしたりしなければいけないやむを得ない事情があるのかを聞いてみましょう。元夫の現在の収入や再婚相手の収入などをヒアリングし、養育費を支払う能力がないのかを見極める必要があります。

自分の収入と照らし合わせて改めて養育費算定表を参考に適切な養育費を算出してみてください。

「減額するためのやむを得ない事情」がないことを訴える

元夫の言い分をしっかり聞いた上で、養育費を支払えないやむを得ない事情がないと感じた場合には、「それはやむを得ない事情には該当しない」と反論してみてください。

例えば、元夫が再婚相手の子どもと養子縁組をしていないのであれば、扶養義務は発生しません。赤の他人(子ども)よりも実子を優先して養育していかなければいけないと元夫を説得しましょう。

債務名義の書面を再度渡してみる

債務名義の書面が残っているならその書面も改めてコピーして元夫に渡してみましょう。

債務名義の書面: 調停調書・公正証書・審判書・和解調書や判決書などのこと。

そこに養育費に関する詳しい取り決めがありますので手元に準備しておきましょう。証拠があれば、もしもこじれた場合でも有利に進みます。

交渉を有利に進めるポイントとは?

交渉を有利に進めるためには、下記のようなポイントで話し合いを進める必要があります。

  • 子どもにいくらお金がかかっているのか書面で提示する
  • 自分の収入証明を提示する
  • 減額されたら子どもの養育が困難であると相手に納得してもらう

子どもにいくらお金がかかっているのか書面で提示する

最初に子どもにかかっているお金と今後かかるであろうお金をまとめて元夫に提示していきましょう。子どもの健やかな成長のためには確実に必要になるお金です。習い事もあるかもしれませんし、病院代もかかるでしょう。

今後の進学先が私立になる可能性もあります。子どもが希望すれば受験や留学等も考えられるでしょう。子どもの将来のためのお金ですから、しっかり元夫に理解を示してもらってください。

もしも養育費がなくなったら子どもの将来性を奪うことになりかねません。そのことをしっかり元夫に主張して納得してもらえれば有利に交渉を進めることができます。

自分の収入証明を提示する

次に自分の収入証明を元夫に提示していきましょう。あなたの収入が離婚時点よりも減少しているようなら有利に交渉を進めることができます。

もし変わらなくても、当時と同じ条件で養育費を請求することに成功できるはずです。

減額されたら子どもの養育が困難であると相手に納得してもらう

次に上記2つの証拠を元に、「養育費がなくなってしまっては子どもの養育に困窮してしまう」ということを元夫に訴えかけてみましょう。

子どもに情があれば間違いなく元夫は減額や打ち切りの意思を翻すはずです。子どもへの愛情に訴えかけることが交渉を有利に進める方法になるでしょう。

話がまとまらなかったとき

もしも話し合いがまとまらなければ、できることは弁護士に相談することです。

弁護士に相談

弁護士に相談する際には、債務名義の書類一式と子どもの養育にかかっているお金をまとめたものを準備しましょう。そして可能なら元夫の収入証明や再婚相手の収入証明もあれば有利に進みます。

もちろんあなたの収入証明も弁護士に提示し適切な指示を受けてください。弁護士に相談した結果、養育費の減額もしくは打ち切りが適切だと判断されてしまった場合には、残念ですが素直に応じた方が今後の親子関係・元夫との関係は良好なままになります。

結果を問わず、弁護士に相談することであなたにとって心強い味方になってくれるでしょう。もしも元夫が養育費減額調停を申し立てたとしても安心です。

今後元夫が話し合いに合意していないにもかかわらず、突然養育費を支払わなくなったとしても、弁護士が味方についてくれるなら法的に差し押さえをすることも可能。その際には債務名義が必要になりますので手元に準備しておきましょう。

元夫が養育費減額調停を申し立てた場合

元夫が養育費減額調停を申し立てた場合には、弁護士に相談のうえ指示に従い家庭裁判所で話し合いに応じましょう。調停の場合、元夫とは顔を合わせずに冷静に話し合いができる可能性が高いはずです。

弁護士を立てることで代理交渉してもらえて安心できます。

あなたの心に寄り添ってできるだけ有利に話し合いが進むように尽力してくれるでしょう。もしも調停がこじれた場合には審判に移行し、それでもまとまらなければ裁判に発展します。

長く話し合いをすると精神的にも辛くなりますから、ある程度は譲歩することも大事かもしれません。もしも完全な打ち切りではなく多少の減額ならば素直に応じることも必要です。

お互いが再婚をした場合

お互いに再婚した場合には、子どもとの養子縁組などの条件や、その時点でのお互いの収入によって改めて養育費を取り決めていきましょう。

できるだけ有利に話し合いを進めるためには、元夫の子どもへの愛情に訴えかけていくべきです。その上で話し合いが膠着(こうちゃく)するようなら弁護士に相談してください。

もしも再婚が事実婚状態だった場合には、そもそも再婚相手への扶養義務は発生しません。

元夫が事実婚だった場合もあなたが事実婚だった場合も養育費には何ら関わりがありませんので安心するといいでしょう。

お互いに再婚した場合元夫の扶養義務の負担が増加し、あなたの子どもが再婚相手と養子縁組をして子どもへの養育の負担が軽減された場合に養育費は減額や打ち切りになっても仕方がありません。養育費が減額・打ち切りになるやむを得ない事情に該当する可能性が高くなります。

まとめ

元夫が再婚するからと焦る必要はありません。

再婚だけでは養育費が減額されたり打ち切りになったりする正当な理由にはならないからです。

離婚しても元夫と子どもの間には法的に親子関係が成り立っています。元夫には子どもを養育する義務があり、再婚したからとそれが消失するわけではありません。

ただし、再婚相手が無収入で働けない事情がある場合や、再婚相手の子どもと元夫が養子縁組をした場合・元夫と再婚相手に新たに子どもが生まれた場合には元夫の扶養義務の負担が増大します。これらのケースでは養育費を減額・打ち切りにされるやむを得ない事情と判断される可能性があるでしょう。

これらのケースに該当し、もしも元夫から養育費の減額や打ち切りの相談があったなら改めて互いの収入と照らし合わせて養育費を算定していかなければいけません。

あなたの子どもが将来に渡り健やかに成長できるように、できるだけ成人するまでは養育費を請求していきましょう。

弁護士

畝岡 遼太郎 弁護士

大阪弁護士会所属

 

西村隆志法律事務所

大阪市北区西天満2丁目6番8号 堂島ビルヂング501号
TEL:06-6367-5454

ひとりひとりに真摯に向き合い、事件解決に向け取り組んでます。気軽にご相談が聞けて、迅速に対応できる弁護士であり続けたいと考えております。 

※事前予約いただければ平日夜間や土日にも対応可能です。

よかったらシェアしてください!
目次
閉じる