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5分で理解! 離婚調停の申立てから成立までの流れ

「離婚調停を申し立てようと思うけれど、一体どのような流れで進むの?」と疑問に思う方は多いと思います。

この記事では、

  • 離婚調停の全体的な流れ
  • 有利に進める方法

などを解説していきたいと思います。

離婚調停の経験が豊富な弁護士が監修していますのできっと参考になるはずです。

目次

離婚調停とは

離婚調停

離婚の種類として①協議離婚・②調停離婚・③審判離婚・④裁判離婚があります。

夫婦間で離婚の話し合いがまとまった場合には「①協議離婚」をすることができます。

しかし、まとまらなかった場合は家庭裁判所を利用する「②調停離婚」などに向けて手続を進めることになります。

離婚調停を申し立てるタイミングとしては

  • 相手方との話し合いが進まない、話し合いにすらならない
  • 離婚の条件が合わない
  • DV等の理由で顔を合わせたくない

というようなときが考えられます。

離婚調停の正式な名前は「夫婦関係調整調停」といい、離婚だけでなく、親権者、面会交流、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料などの問題も一緒に話し合うことができます。

話し合いがまとまらず、調停不成立になった場合には、離婚裁判を起こすことになります。

離婚調停の流れ ~申立てから終了まで~

離婚調停の全体的な流れは下記図のようになります。

離婚調停の流れ

離婚調停を申し立てると、調停が何度か行われ最終的に離婚調停成立・不成立、もしくは取り下げで終了します。

離婚調停申立ての準備

まず、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に調停の申し立てをします。

※ 管轄の裁判所を調べたい方は、こちら

申立書が受理され、離婚調停を行う日を決めます。一般的には第1回の調停は申し立てをしてから約1か月~2か月後に予定されることが多いです。

調停離婚の理由は「法定の離婚原因」(=不貞行為、悪意の遺棄など民法770条の記載されている離婚原因)でなくても可能です。

つまり、「性格の不一致」などでも調停の申し立ては可能なのです。(正確に言えば「性格の不一致」も民法770条1項5号に含めて考えることができます)

先程述べたとおり、離婚調停では離婚と合わせて、

  • 親権者をどちらにするか
  • 養育費をいくらにするか
  • 財産分与をどうするか(財産をどう分けるか)
  • 慰謝料をいくらにするか
  • 年金をどの比率で分割するか

といった問題も一緒に行うことができます。

離婚調停を申立てるために必要な書類

  • 調停申し立て書 3通 (裁判所用・相手方用・自身用の控え)

【DL http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_kazityoutei/index.html】

離婚調停申立書
  •  申立人戸籍謄本(3か月以内に発行されたもの)
  •  相手方戸籍謄本(同上)
  •  申立人印鑑
  •  年金分割のための情報通知書 1通 (1年以内に発行されたもの)

離婚調停を申し立てるためにかかる費用

離婚調停を申し立てるには下記の費用が必要になります

調停当日の流れ

1日の流れ

いよいよ調停当日! 

第一回目調停の流れを説明していきます。 (※ 以下の時間はあくまでもイメージです)

8:00  自宅出発

9:00  家庭裁判所へ到着 少し早めに到着しておきましょう!

まず呼出状記載の指定の日時に指定の家庭裁判所へ行き、受付窓口で受付を済ませ、待合室へ。

※調停が行われる主な時間帯

午前の部  10:00~12:00頃

午後の部  13:00~15:00頃  15:00~17:00頃

離婚調停は平日かつ日中の時間帯しか開廷されません。

「相手方と顔を合わせなければいけないの?」と不安な方が多いと思いますが、安心してください! 会うことはありません! 待合室では相手方とは別々の場所で待機するので、顔を合わせることはないのです。(ただし、間違えないようにしましょう)

調停委員に呼ばれるまで待合室で待機します。

10:00 調停室へ

呼び出されたら調停室へ行きます。離婚調停の時間はだいたい2時間程度です。

12:00 調停終了

調停終了時に次回の日程等も話されます。

当日の持ち物

  • 裁判所から送られてきた書類(呼出状など)  裁判所から届いたものは、基本全て持参。
  • 身分証明書    家庭裁判所で、提示が必要な場合があります。
  • 認印
  • 筆記用具
  • メモ
  • スケジュール帳  次の調停期日を決める時に使います。
  • 振込に使う銀行の通帳  金融機関名・口座番号等が記載してあるメモでも可。 

当日の服装

大切なのは清潔感です。

服装はスーツでなければいけない、という決まりはありませんが、常識の範囲内の服装で出向きましょう。印象の問題ではありますが、過度に派手な服装や宝石などを身に着けることは避けた方が無難です。

調停委員はどのような人か

離婚調停では合計2名(男女1名ずつ)の調停委員が立ち会うことが決まっています。 男女1人ずつとされている理由は、意見が偏らないようにするためです。

調停委員は原則40歳以上70歳未満という年齢制限があり、60代の方が多いです。

調停委員になるための資格は必要なく、特別な条件はありませんが、弁護士・医者・大学教授・建築士など社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持っている人、また社会に貢献してきた人から選ばれます。

離婚調停で聞かれやすい質問

離婚調停で聞かれる主な質問は下記の通りです。

  1. どのように出会い、結婚へ至ったのか?
  2. なぜ結婚を決意したのか?
  3. 夫婦関係を継続できる可能性はあるのか?
  4. 現在の夫婦生活はどのような状態か?
  5. 現在抱えている問題は何か
  6. 離婚に至る経緯、離婚に同意しているのか
  7. 財産分与・親権・養育費・慰謝料などに対する考えは?
  8. 離婚後の生活はどのように描いているか

すべての質問に対して分かりやすく具体的に答えられるようにしましょう。

2回目以降の離婚調停

離婚調停の期間がどれくらいかかるかについてはケースによって異なります。

数回程度で終わることもありますし、10回以上も離婚調停を繰り返してまだ話がまとまらない夫婦もいます。

次回の日程は各回の離婚調停時に双方の日程を調整して決めますが、多くの場合、約1ヶ月後に設定されます。なお、2回目以降、呼出状は届きません。

2回目以降の面接の流れは1回目と同様になります。

離婚調停終了

離婚調停が成立すると、調停終了になります。

成立すると、家庭裁判所から「調停調書」が作成されます。

調停離婚の場合、離婚届に署名捺印は必要なく、代わりに「調停調書謄本」の提出が必要になります。実際に離婚後、家庭裁判所から発行されるのは調停調書謄本ではなく離婚届に必要な内容のみを記載した「調停調書省略謄本」というものが一般的です。

この謄本には養育費の額、財産分与額など個人情報が多く記載されているので、この謄本のまま、市町村役場に出してしまうと、離婚者情報が漏れてしまうという問題が発生してしまうため、調停調書省略謄本を提出するように注意しましょう。

離婚調停終了後

調停が成立した場合

調停が成立すると、家庭裁判所の書記官によって調停調書が作成され、離婚が成立します。

離婚が成立した場合には、離婚調停が成立した日から10日以内に届出人の本籍地もしくは所在地の市区町村役場へ行き離婚届を提出する義務があります。

提出が終了したら、正式に離婚成立となるのです。

調停が不成立だった場合

離婚調停で意見が合意せず、調停成立の見込みがない場合不成立になり、調停が終了します。

一般的には、審判や裁判であれば控訴などで不服申し立てができますが、調停では不服申し立てができません。

納得がいかなかった場合、再度調停を申し立てることになります。

離婚調停が不成立になった場合、原則として

  • 協議離婚のための話し合いを行う
  • 離婚裁判を起こす

という2つの選択肢がありますが、多くの場合、協議離婚ができないために調停になっていると思いますので、離婚裁判の準備に進むことになります。

離婚成立後にすべき6つのこと

1 離婚届の提出

離婚届は、各市区町村役場の戸籍担当窓口(戸籍課、戸籍住民課、市民課、市民窓口課など名称は自治体で異なります)で入手できます。仕事等の関係で平日の日中に役所へ行けない人向けに、夜間や土日・祝日の窓口にも置いてあります。またインターネット上でダウンロードをして入手することが可能です。

必要事項を記入したら本籍地あるいは居住地の市区町村役場に提出します。

ちなみに、離婚届は「全国同じ用紙を使っていて全国共通である」という勝手なイメージがありますが、微妙に市町村によって違いがあります。

もっとも、全国各地どこの離婚届でも利用することができるのでご安心ください。

離婚届

2 住民票の移動

離婚によって転居する場合

離婚によって転居する場合は役所に行って「住民票異動届」を出す必要があります。
手続きに必要なもの:  印鑑

世帯主が夫から自身に代わる場合。離婚によって世帯主が夫から自身に代わるときには役所に行って「世帯主変更届」を提出する必要があります。

手続きに必要なもの

  • 身分が確認できるもの(免許証、パスポート等)
  • 国民健康保険証(国民健康保険に加入している場合)
  • 印鑑

3 国民年金の加入・変更

元配偶者が厚生年金に加入していた場合は、国民年金に加入しなおしましょう。国民年金への加入は、年金事務所でも可能ですが、役場のほうが他の手続きと並行して行えるため便利です。

ご自身が働くなどして厚生年金に加入している場合は加入する必要はありません。

手続きに必要なもの

  • 年金手帳
  • 身分が確認できる書類(免許証・パスポート等)
  • 国民年金被保険者関係届出書

4 国民健康保険の加入・変更

元配偶者の会社の健康保険に加入していた場合、離婚と同時に効力が失われます。社会保険に加入していない場合は、自身はもちろん、子供の分も手続きをしましょう。

手続きに必要なもの

  • 離婚届受理証明書(離婚届提出後に市町村役場の窓口で請求できる)
  • 健康保険証
  • 健康保険資格喪失証明書(扶養になっていた会社に連絡して発行してもらう必要がある)

5 苗字変更の手続き

≪婚姻時に苗字の変更をした場合≫

旧姓に戻す…婚姻時にして夫の苗字になっていた場合、離婚すると一般的には旧姓に戻す方が多いです。

旧姓に戻さない…「婚氏続称 (こんしぞくしょう) 」といって、離婚をしても旧姓に戻さずに婚姻中の苗字のまま生活することも可能です。子どもがいる場合や仕事に影響がありうる場合には戻さないという選択肢もあるでしょう。

手続を離婚後、原則3か月以内に行う必要があります。

役場で「離婚の際に称していた氏を称する届( 婚氏続称届)」という書類を入手し、記入し提出するだけでできます。

当然、 婚姻時に苗字の変更をしていない場合は手続き不要です。

6 年金分割の申請

手続きとしては現住所を管轄する日本年金機構(年金事務所)に標準報酬改定請求書を提出して請求します。離婚後2年以内に行う必要があります。2年を過ぎてしまうと請求することができなくなってしまいます。

離婚調停を有利に進める方法

陳述書の作成

陳述書とは、申立書では書き切れない、過去から現在までの婚姻生活で起こったことの経緯をまとめたとても重要な資料です。

離婚調停の1回あたりの時間は長くて2時間程度で、当方と相手方が交代で30分ずつ調停委員に話をするのを2回できるくらいなので、思ったよりも時間がありません。

陳述書は絶対必要な書類ではありませんが、事前に作成しておく事でスムーズに話し合いができます。また、書類にまとめる事でより自身の主張を明確に裁判官や調停委員に訴える事ができますので、離婚調停を有利に進めるにあたっては作成した方がよいでしょう。

証拠を集める

証拠があれば、主張の信頼性が高まるので調停委員が味方になってくれる可能性が高まります。

例えば、不貞行為が原因で離婚調停をしている場合に、証拠として認められやすいものとして肉体関係があったことが分かる証拠(不貞相手とのメールや音声通話のデータ、探偵による報告書や写真)があげられます。

自身の印象をよくする

実際の調停の場では、調停委員への受け答え、服装、姿勢、話し方など心がけることが重要です。 調停委員も人間ですので、印象を良くして自分の味方につけてしまうことは思っている以上に有効といえます。

印象が悪くなりがちなふるまい例

  • 話が長すぎてしまう
  • 話す際に興奮してしまう、感情的になってしまう。
  • 自分に分があるからといって高圧的な態度になる。
  • 相手を過度に悪く言ってしまう

自分では気づきにくいですが、 上記は特に注意が必要です。

相手を過剰に非難せず、冷静に話をする人の方が、調停委員に「ちゃんとした人だな」と思ってもらえます。 また、相手が悪い場合には、調停委員も頭の中では理解してくれるので、余計な悪口は言わない方いいでしょう。

自分のことになるとなかなか難しい部分があるのも事実ですが、① 話が長すぎず簡潔であること、②冷静に話をすることに注意して話ができていれば印象が悪くはなりにくので、意識して話すように心掛けましょう。

不安がある方は本番に備え、1人で何回かイメージトレーニングをしたり、自分の親や家族などに調停委員の役になってもらって練習をするなど、 本番を想定した練習を事前にするとよいでしょう。

また、弁護士は、印象を良くする方法には詳しいので、ご自身のケースではどのように振る舞うべきかアドバイスを受けてみるのもいいかもしれません。

まとめ

離婚調停の流れをイメージすることはできたでしょうか。今後離婚調停を起こす予定があるのならば、少しでも参考にしていただけたら幸いです。

弁護士

松本 隆  弁護士
神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115

労働紛争・離婚問題を中心に、相続・離婚・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う

この記事を書いた人

小林可奈 ミスター弁護士保険 ライター
皆様の疑問を解決するために日々活動しています!

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