弁護士保険ミカタとは

【弁護士直伝】離婚調停の流れと有利に進める3つの方法!

離婚をしようと夫婦で話合いをしたけど、条件面で意見が対立したり、感情的になってしまったりして折り合いがつかない。

こんな悩みをお持ちではないでしょうか。

離婚するということをお互いが決めていても、子どもの養育費や親権、財産分与、ひいては慰謝料など決めることはたくさんあり、金額をはじめとする離婚の条件がなかなか決まらないということはよくあることです。

2人の話し合いで離婚の条件が決まらない場合には「離婚調停」の制度を利用するのがよいです。

離婚調停は、「調停委員」という第三者が、離婚の話し合いの仲介に入ることで、当事者で話を進めるより、スムーズに物事が進みます。

目次

離婚調停とは

離婚調停

離婚についての話し合いは、当事者だけでは解決しないことが多くあります。

そのような場合に利用する制度が離婚調停です。

離婚調停は、裁判のように「強制的に解決する」というものではなく、「話し合いで解決する」というものです。

「家庭裁判所」で「調停委員を通じて話していく」ことになります。

離婚調停についてまとめると・・・

  • 「家庭裁判所」で話し合いをする
  • 自分の主張を「調停委員」を通じて伝えてもらう  
  • お互い顔を合わせることがない。(相手が話をしているときは別室で待機)
  • 強制力はないので、それぞれの合意があって初めて離婚が成立する
  • 調停は非公開。弁護士を利用する・利用しないは本人次第
  • 費用が安く、何回でも利用できる
  • 離婚に合意して約束を定めた「調停調書」には、裁判所の判決と同じ効果があるので、約束を守らない場合には強制執行ができる

離婚調停の費用について

「裁判所を利用するから費用は高いのでは?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、調停にかかる費用は数千円程度です。

ですので、本人同士で離婚の話し合いがまとまらないのであれば、利用しない手はないでしょう。

離婚調停にかかる費用

収入印紙代 1,200円

収入印紙は、郵便局やコンビニで買えます。また、裁判所によっては売店で購入できますが、事前に準備しておくほうが安心です。

切手代   1000円以下

事前に申し立てをする裁判所に聞いてみるといいでしょう。購入する切手の内訳が、家庭裁判所によって異なりますが、だいたい総額1000円位です。

戸籍謄本  450円

戸籍謄本は、本籍地の市区町村の役所で取得します。本籍地から離れて住んでいる場合は、郵送でも取り寄せが必要ですが、その場合、少し時間に余裕をもって申請したほうがいいです。なお『全部証明(戸籍全部事項証明書)』が必要になります。

住民票の取得費用  300円~

住民票の取得費用は市区町村で金額が異なります。基本300円位が多いのですが、無料で取得できることもあります。住民票は省略のない、全部記載されているものを取得します。住民票は、住民のある市区町村の役所でとれますが、市区町村によって、コンビニで取得でき、また無料で取得できることもあります。

その他

同時に、婚姻費用分担請求を請求する場合は、収入印紙が別途1,200円必要になります。

補足 婚姻費用分担請求について

婚姻費用分担請求とは、主に別居中の夫婦や未成年の子供の生活費(婚姻費用)を相手方に支払ってもらえない場合に、相手方に請求する手続です。

婚姻費用の支払いがなく、話し合いが長引きそうな方は、離婚調停と同時に、婚姻費用分担請求の手続きをすることをお勧めします。

なお、相手方が調停を申し立てた場合(自分が申し立てられた側の場合)は、上記の調停費用を負担することはありません。

離婚調停の全体像を把握しよう

 離婚調停はどこでするの?

離婚調停を起こした人を「申立人」

離婚調停を起こされた人を「相手方」と呼びます。

離婚調停は家庭裁判所で行うのですが、『相手方の住所地にあるエリア(管轄)の家庭裁判所』となっています。相手方の住所地とは、住民票のある場所ですが、住民票がなくても、相手が実際に住んでいるエリアの家庭裁判所となります

自分が東京に住んでいて、相手方が大阪に住んでいるというように、遠方の場合もありますが、その場合でも原則は、相手方の住所地になります。

例外として「合意管轄」といって、互いに合意があれば、その合意があった裁判所でも調停をすることができます。

なお、遠方の場合は、電話会議で調停を行うこともあります。

 準備するもの

離婚調停をする場合、最低限、以下のものが必要になります

  • 夫婦関係調整調停申立書      裁判所 申立書と記入例    
  • 夫婦の戸籍謄本(全部証明)
  • 収入印紙 
  • 郵便切手 
  • 戸籍謄本
  • 年金分割のための情報通知書(年金分割する場合)

  ※収入印紙等の費用の目安は上段(2離婚調停の費用について)を参考

自分で離婚調停をする場合は、「夫婦関係調整調停申立書」をとりに行くがてら、事前に相手方の住所地の家庭裁判所(申し立てする家庭裁判所)に直接いくことをおすすめします。そうすると調停のイメージもわきますし、簡単な質問であればその場で聞くこともできます。

 離婚調停の流れ

自分でする場合にも、弁護士に依頼する場合にも大まかな離婚調停の流れは把握しておく方がよいでしょう。

1.相手の住所地にある家庭裁判所に申し立て

   申立てをする側が書類を提出してスタートします

2.申し立て後、家庭裁判所にて、離婚調停をする日を決定

 家庭裁判所から申立人と相手方に書面で通知されます。申立てをしてからおよそ1~2か月後くらいになると考えておくとよいでしょう。

3.家庭裁判所にて1回目の離婚調停(第1回調停期日

男女の調停委員2名が進行します。(+必要に応じて裁判官が参加)。
申立人と相手方(夫婦)は別室で待機して、調停員から呼ばれて話をする流れです。 

 【一般的な流れ】
    申し立て人、相手方の順番に呼ばれて話をします。
    申立人30分 → 相手方30分 → 申立人30分 → 相手方30分

4.家庭裁判所にて2回目以降の調停(第2回目調停期日)

    ・1回目とほぼ同じ流れです。

    ・1~2ヶ月に一回期日を設定されます

※上記の流れで第3回目、第4回目といった形で調停の期日が繰り返されます。

また、下記のどれかに当てはまれば、離婚調停は終了します。

  1. 調停の成立      お互いが合意した場合
  2. 調停の不調(不成立) 調停員が合意することが難しいと判断した時
  3. 取下げ        調停の申立人が、合意は難しいと判断した時
  4. 調停委員よる終了   申立人が欠席を続ける、双方のどちらかがなくなった場合など

なお、離婚調停は、成立せずに終了したとしても、再度調停を申し立てることもできます!

離婚調停におけるにおける弁護士費用

離婚調停は「家庭裁判所」で行いますので、「必ず弁護士に依頼するもの」だと思っている方が多くいると思います。

しかし、そのようなことはありません。

離婚調停においては弁護士をつけず、自分でやる人もそれなりにいます。

ただ、弁護士に依頼した方が、自分にとって有利に進めることが多いのも事実ですので、そのあたりは法律相談をするなどして考えてみるのがよいでしょう。

弁護士費用は、法律事務所(弁護士)ごとに金額を決めていいので、当然金額が前後しますが、一般的な弁護士費用の考え方についての説明になりますので、金額はあくまで目安と考えてください。

弁護士費用は2階建てで計算

離婚調停における弁護士報酬は、通常の弁護士費用の計算と少し異なります。具体的にいう次のように2階建てで構成されます。

  • 離婚調停に関する弁護士費用
  • それ以外(財産分与や慰謝料に関する)弁護士費用

 2階  離婚以外に関する弁護士費用
(財産分与や慰謝料などの請求するための弁護士費用)

1階  離婚に関する弁護士費用

1 「離婚」に関する弁護士費用

弁護士費用は、おおよそ30~40万円位になります。

ただ、この金額は、①「離婚」に関する費用となりますので、その他相手から請求したいもの(財産分与や慰謝料請求)がある場合は、下記のほかに別途弁護士費用がかかります。

離婚調停における弁護士費用の目安

・【法律相談料】 依頼する前の法律相談費用。

30分5000円若しくは1時間1万円(税抜)

・【着手金】  弁護士に依頼した時にかかる費用(最初に支払う手付金)

15~30万円

・【解決報酬金】  離婚ができたこと(結果)に関して支払う費用(解決した後に支払う)

15~30万円

・【実費】  印紙代や出廷費用など

     5~10万円 

2「離婚以外」に関する弁護士費用

離婚調停をする方は、離婚の合意だけではなく、お金や親権のことに関しても合意が必要ではないでしょうか。その場合、弁護士費用は上記の金額にプラスで費用が追加されます。

 ・財産分与*   得た額の5~16%

 ・慰謝料請求*  得た額の5~16%

 ・子供の親権  成功報酬として10~15万円

 ・養育費*    養育費の1~3年分の合計の10%

                         *金額目安は10%

事務所によって金額体系が異なります。請求するものが多い、また受け取りする金銭が高額になる場合などであれば、安くなることもありますが、およそ得られた金額の10%位と考えておくとよいと思います。

最近は、多くの事務所で、お客様の経済的負担を軽減するために、費用の支払いを成功報酬(後払い)として請求する事務所も増えています。弁護士に依頼する前に相談すると、成功報酬(後払い)で受けてくれる弁護士もいますので、費用に心配な場合は事前に相談するとよいでしょう。

ただ、後払いにすることによって費用が高く設定されてしまうこともありますのでよく確認した方がいいでしょう

・子どもの親権、養育費

子どもの養育費と親権の弁護士費用に関しては、弁護士(法律事務所)のカラーが出やすいところで、業界としても一般化されていないというのが正直なところです

「どこまでが親権の争いなのか」という明確な基準がないため、弁護士の判断になりがちですが、多くの場合「子供の親権・面会交流の権利を得た場合」が報酬の対象となると考えておくとよいでしょう。

また、養育費に関しても、「養育費の1~3年分の合計の10%」が目安ですが、必ずしもそうとは限りませんので、個別に確認するとよいでしょう。

具体的な計算例   

財産分与の弁護士費用が報酬金の10%とした場合、着手金20万円、報酬金20万円、実費5万円として、500万円の財産分与と100万円の慰謝料を得た場合  (旧日弁連報酬基準より)

・ 離婚の費用 35万円
  ・(500万円+100万円)×10%+18万円 =78万円
計113万円の弁護士費用

離婚に関する弁護士費用は、意外に複雑なので、依頼する前にHPでチェックした上で、事前に法律事務所に訪ねてみると安心です。

POINT【弁護士費用について事前に聞いておくとよいこと】

・ 離婚に関する着手金と報酬金はいくらか
・ 財産分与、慰謝料請求、親権、養育費などの費用はいくらか
・ 得られた金額の何%が費用になるか
・ 費用の支払いするのはいつか

前述した通り、一般的に「離婚」の弁護士費用は財産分与や慰謝料請求は含まれていないのでご注意ください。

なお、弁護士に依頼する費用は、相手に請求することができず、ご自身の負担となります。

離婚調停は弁護士に依頼するべき?弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するべきかどうかの判断基準について

  1. 自分で調べて、調停に提出する書類など自分で作成することができるかどうか
  2. 自分で決めたことを妥協せずに話し合いを進めていけるかどうか
  3. 感情的にならず、冷静かつ論理的に調停委員に主張を伝えることができるかどうか
  4. 相手が弁護士を依頼しているかどうか

上記の4つ全てについて問題がなさそうであれば、弁護士に依頼しなくても、ご自身で離婚調停を進めてもよいかと思います。

弁護士に依頼することは、確かに費用はかかりますが、多くの場合、弁護士費用以上に利益を受け取ることができます。正直、弁護士費用のことを考えなければ、ご自身で調停にのぞむより弁護士に依頼する方が、よいでしょう。

しかし、弁護士に依頼するとなると、高額な弁護士費用を負担しなければなりませんので、弁護士に依頼するかしないかの判断は、慎重にされるとよいでしょう。

弁護士に依頼するかどうかは法律相談をすれば判断できることが多いので、法律相談だけでもしてみるとよいでしょう。

離婚調停における弁護士の役割

弁護士に依頼するメリットを記載します。

  • 自分の思っている主張を調停員にうまく伝えることができる
  • もらう金額を増やす(払う金額を少なくする)ことができる可能性が高くなる
  • 書類を作成してくれたり代わりに調停に出頭してくれたりするので手続の手間が省ける
  • ストレスが軽減される
  • 自分でするよりも短期間で終わることが多い
  • 調停が、成立しない場合、離婚訴訟にスムーズに移行することができる
  • 依頼者の「絶対に譲れないこと」を実現できる可能性が数段に上がる
  • 解決のスピートが早い
  • 自分の味方がいる(一人ぼっちではない)

弁護士に依頼しない場合も法律相談を

自分で調停をしたい場合や、弁護士費用の面で依頼できない場合なども、当然あると思います。

その場合は、弁護士に依頼しなくても、法律相談ができる環境を整えておくとよいでしょう。

具体的には法律相談のみを弁護士に依頼するという手段です。

法律相談の目安は1時間1万円位ですので、5~6回ほど法律相談にいかれても10万円以内でできます。

法律相談だけ行くときは以下のタイミングで、予約をとって相談にいかれるとよいでしょう

  • 離婚調停の申し立てを考えた時
  • 調停の期日前(出廷前)
  • 調停期日の後(出廷後)

注意点は、同じ弁護士に相談すること。です。

また、相談だけを良いと思わず、依頼しない場合は相談に前向きに応じてくれない弁護士もいますので、事前に費用の関係で、定期的に相談だけしたいがOKかどうかは、確認しておいた方がよいでしょう。

まとめ

離婚調停費用自体は、安価ですみますが、弁護士に依頼するということになると離婚調停の費用は高額になります。

繰り返しになりますが、離婚調停は自分でも、弁護士に依頼してもすることができます。

ただ、どちらを選択するにしても、一度弁護士に相談にいってから決めるとよいでしょう。

離婚は今後の人生を決める重要なイベントでもあります。 後悔しないで、新しいスタートをきるためにも、あなたの思いが実現できるよう行動していただければと思います。

弁護士

松本 隆 弁護士

神奈川県 弁護士会所属
横浜二幸法律事務所
所在地 神奈川県横浜市中区山下町70土居ビル4階
TEL 045-651-5115

労働紛争・離婚問題を中心に、相続・離婚・交通事故などの家事事件から少年の事件を含む刑事事件まで幅広く事件を扱う

よかったらシェアしてください!
目次
閉じる