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【離婚後の養育費】養育費を払わない元夫!支払ってもらうための5つポイントを解説

離婚後に「今月の養育費支払われていない!」というケースがあります。また

「来月から私立の学校に通うのに養育費が足りない」という方もいるかもしれません。

養育費は子どものためにも必要な費用です。もしも離婚後に養育費を支払わない元配偶者がいるならしっかり養育費を請求していきましょう。

本記事では、

・養育費の不払いの実態について
・どうして養育費を払わないのか?
・養育費の請求方法
・養育費の時効と時効を中断する方法
・養育費を快く支払ってもらう方法

についてご紹介します。離婚後に養育費を気持ちよく支払ってもらって子どもの将来に備えていきましょう。

目次

養育費不払いの実態について

最初に、養育費の不払いの実態について見ていきましょう。

養育費が払われていないケースが多い

平成28年の調査では、離婚の際に養育費の取り決めをする夫婦の割合は、母子世帯で42.9%です。一方父子世帯では20.8%と、母子世帯よりも低い割合となっています。

母子世帯に比べて、父子世帯では母親より父親の稼ぎが多い理由から、父子世帯で養育費の取り決めをしている夫婦は少ない結果になりました。母親には養育費を支払う能力がないと考える父親が多いことがわかります。

そして、離婚後もきちんと養育費を払ってもらっている割合は、母子世帯で、およそ25%しかいません

取り決めをしてもその半数近くがきちんと支払っていないという状況です。

一方、父子世帯の養育費支払い状況は、わずか3.2%と非常に低い値になっています。

こちらも実際に取り決めをしても、支払われていないケースが多いことがわかります。

なぜ養育費を払わないのか

離婚後に養育費が不払いになる原因はたくさんあります。

取り決め当初は支払っている人が徐々に不払いになるケースの理由を見ていきましょう。

収入が減った

離婚当初に取り決めた金額では自分の生活が立ち行かなくなった場合に、養育費を支払わないケースがあります。

養育費の減額交渉もされずに、そのまま支払わないケースもあるでしょう。転職やリストラなどで、思うように収入が得られないケースでも養育費は不払いに陥りやすいのです。

再婚などで扶養家族が増えた

自分や相手の再婚によって「もういいかな?」と勝手な判断をする人も少なからずいます。

自分が再婚した場合なら、「新たな家族のためにお金を使いたい」と感じても不思議ではありません。

相手の再婚なら、再婚相手の収入があるので支払う理由を感じない、というケースもあるでしょう。

子どもよりも自分が大切になってくる

離婚当初は子どもの面倒は見たいと感じても、時間経過と共に、実際には自分の生活の方が大切になっていきます。

「どうして離婚した家族のために自分が苦労しなくてはいけないのか?」という疑問が沸き起こり、養育費の不払いにつながっていきます。

子どもに会えないため、愛情を感じられない

離婚後、面会交流をしていれば子どもに対する愛情も薄れない可能性があります。

しかし離婚後、子どもに会うことも叶わない場合には、子どもに対する愛情は徐々に薄れてしまうでしょう。

「現在どういった成長をしているのか?」というような、子どもの何にお金が必要なのかがわからなければ、養育費を積極的に支払う気持ちにはなれないものです。

養育費が支払われないときの対処法

養育費が途中から支払われなくなったときには、元配偶者に交渉していかなければいけません。

それでも養育費を払わない場合には、養育費請求調停を申し立てていきます。

夫婦で協議

最初にやるべきことは養育費を払わなくなった元配偶者と協議(話し合い)をすることです。その際に、明確な金額と支払期日などを相談しましょう。

とはいえ、養育費を払わなくなったわけですから、相手がすんなり交渉に応じるとは限りません。

その場合には、内容証明郵便を送って、相手にプレッシャーを与えていきましょう。

内容証明郵便を送ることで、あなたが元配偶者に養育費の支払を催促した記録が、郵便局に残されることになります。

もしも不安がある場合には、弁護士を間に立てて協議していくと、交渉が成立するかもしれません。弁護士を立てることで相手はあなたの本気度合いを認識し、すんなり支払う可能性があるでしょう。

内容証明郵便を送っても元配偶者が養育費を支払わない場合には、養育費の支払に関する公正証書があれば、履行勧告や強制執行も可能です。

もしも離婚の際に養育費に関する公正証書を作成していなければ、養育費請求調停を申し立てることになります。

履行勧告と履行命令、強制執行

養育費の支払に関する公正証書があれば、養育費の支払について裁判所が履行勧告をしてくれます

履行勧告とは、離婚調停などを行った裁判所に申し立てをすることにより、無料で養育費を支払うように裁判所から勧告してもらうことです。

電話でお願いすることもできますので、公正証書があれば、養育費が支払われなくなったらすぐさま裁判所に申し立ててみましょう。

それでも、相手が養育費を支払わない場合には、履行勧告ではなく履行命令を申し立てることもできます。
履行命令とは、期日を設けて支払を命令することを指します。

もしも、正当な理由もなく履行命令に従わなければ、罪に問われ10万円以下の罰金が課せられます。履行命令には500円ほどの費用が発生しますので注意してください。

ただし、履行勧告、履行命令には法的な強制力はないため、必ずしも養育費が支払われるわけではありません。

もしも履行勧告・履行命令を申し立てても相手が養育費を支払わなかった場合には、強制執行の方法があります。

強制執行とは、強制的に相手の財産を差し押さえることができる制度です

強制執行も家庭裁判所に申し立てを行います。

債務名義謄本を作成し、債務名義謄本を裁判官から相手に送付してもらいます。債務名義謄本とは、強制執行される財産や範囲、債務者や債権者を公的に証明するための文書です。

強制執行で差し押さえられる財産とは、給与や、不動産、動産、銀行口座などが該当します。給与を差し押さえることで毎月順調に養育費を支払ってもらえることになるでしょう。

ただし、給与を差し押さえるためには、給与を支払っている会社の登記簿謄本が必要です。
強制執行するための調査や書類作成などは手間がかかるため、弁護士に相談することをおすすめします。

強制執行には収入印紙4,000円と、連絡用の郵便切手代が必要です。

養育費請求調停を起こす

離婚の際に、養育費に関する公正証書を作成していない場合には、養育費請求調停を申し立てましょう

申し立ては、相手方の住所地の家庭裁判所か双方が合意した家庭裁判所で行います。
養育費請求調停では、調停委員2名が立会い、養育費について話し合っていきます。

申し立てには次の書類が必要です。

・調停申立書とその写し1部ずつ
・子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)1部
・申立人の収入に関する書類(源泉徴収票写し、給与明細写し、確定申告書写し、非課税証明書写し等)

申し立てに必要な費用は、子ども一人に付き1,200円の収入印紙と連絡用の郵便切手です。

養育費請求調停の流れとしては、申し立て後に裁判所より、申立人と相手に調停期日呼び出し状が届きます。

一回の話し合いで双方の合意が取れれば調停成立です。一回でまとまらなければ、その後数回の調停が行われることになるでしょう。

調停は一ヶ月に一回程度の頻度で行われます。
調停が不成立になった場合には、審判へと移行します。

養育費請求調停は、養育費をそもそも支払うのか、金額はいくらか、子どもが何歳になるまで支払うのかを決めていくものです。

万が一、養育費請求調停で養育費の支払が決定したにもかかわらず、養育費が滞った場合には、先にご紹介した、履行勧告・履行命令・強制執行が可能になり、強制的に財産を差し押さえることができます。

養育費請求には時効がある

実は、養育費の請求には時効があります。

時効を迎えてしまうと養育費の請求ができなくなってしまいますので注意してください。

公正証書で養育費について取り決めている場合や、離婚協議書で養育費について取り決めている場合の養育費の時効は5年です。

離婚調停や、養育費請求調停、審判、訴訟など裁判所を介して養育費について取り決めていた場合の養育費の時効成立は10年となります。(民法169条)

もしも養育費が支払われなくなったら、時効成立前に養育費を支払ってもらうようにしましょう。

また、養育費の時効を中断させる方法もあります。

養育費の時効が成立しそうになったら、ひとまず内容証明郵便で養育費を支払って欲しい旨の連絡を相手にしておきましょう。

内容証明郵便を送付することで、養育費の時効はひとまず半年間伸びることになっています。

その後半年の猶予の間に、養育費請求調停を申し立てることで時効が中断します。中断された後は、上記の通り、時効が5年から10年に延期されることになります。

もしも養育費の支払いに関する公正証書がすでにあるなら、履行勧告や履行命令、強制執行を行うことになるでしょう。

強制執行し、財産の仮押さえをする場合にも、時効は中断され、最初からカウントし直しになります。差し押さえからまた10年間の時効が発生する、ということです。

その他、相手が債務承認を行えば時効が中断し、再度時効がカウントされることになっています。

債務承認とは、簡単に説明すると、相手に文書などで「養育費を支払います」と意思を表明してもらうことです。口頭で「払う」と言っただけでは証拠が残らないため、時効の中断は難しいかもしれません。

口頭でしか債務承認をしてもらえない場合には、弁護士に相談するといいでしょう。

養育費を支払ってもらうためのポイント

養育費を気持ちよく相手に支払ってもらうためには、幾つかのポイントがあります。

養育費は、子どもが健康に育つために必要なお金です。

子どものためにも、相手にただお金を請求するだけではなく、お互いに「子どものためには必要だ」と感じて支払ってもらうようにしましょう。

面会交流を充実させる

子どもとの面会交流をしっかり行う方が、子どもに対する愛情が薄れず、元配偶者も喜んで養育費を支払ってくれるでしょう。

子どもに会う機会が減っていくと、元配偶者には養育費がどうして必要なのかが理解できなくなっていきます。

できれば、月に一回など取り決めし、面会交流の機会を積極的に設けていきましょう。

面会時に養育費を手渡しすることなどと取り決めれば、子どもに会いたい元配偶者は快く養育費を支払ってくれるようになるのではないでしょうか。

お互い良好な関係を築くようにする

大事なことは離婚した後も良好な関係を保つことです。

嫌いで離婚した相手と良好な関係なんて保てない、と感じるのは当然のことですが、子どもの将来を考えてあなたも少しは譲歩すべきです。

自分のためではなく子どものためにも、元配偶者とは良好な関係を保った方が賢明です

養育費の用途を明確にする

元配偶者は、もしかしたら「そんなに養育費は必要ない」と考えているかもしれません。

しかし、子どもの成長に伴い、必要なお金はどんどん増えていきます。

養育費が、どういったことに、どのくらいかかっているのかを、具体的に元配偶者に数値で示していきましょう

理解が得られれば、「自分の子どもの成長には必要なんだ」と快く養育費を支払ってくれる可能性があります。子どもの成長を感じられて、元配偶者とあなたの関係も良好になるかもしれません。

第三者に間に入ってもらう

時には、第三者に間に入ってもらうことも効果があるでしょう。

お互いに嫌い合っている場合や、納得していない状態では養育費は支払われる可能性は低いです。

そういった場合には、お互いの友人や、両親などの共通の知人に間に入ってもらい、毎月の養育費を代わりに受け取ってもらったり、請求したりすることで、スムーズな養育費の支払いがなされるケースがあります。

弁護士に間に入ってもらうことで、上手に養育費の回収をしてもらえるかもしれません。

まとめ

離婚後に養育費を払わない元配偶者がいても、泣き寝入りはしないでください。

養育費は後からでも支払ってもらえます。

ただし、時効がありますから、時効が成立する前に養育費を請求していきましょう。子どもの勉強や、やりたいことのためにも養育費は必要なお金です。

そして、離婚をしても子どもの親はずっと変わりません。両親には子どもを養育する義務があるのです。

養育費をしっかり請求し、子どもが笑顔で生活できる環境が作られることを願います。

弁護士

木下慎也 弁護士

大阪弁護士会所属
弁護士法人ONE 代表弁護士
大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル12階
06-4797-0905

弁護士として依頼者と十分に協議をしたうえで、可能な限り各人の希望、社会的立場、その依頼者らしい生き方などをしっかりと反映した柔軟な解決を図ることを心掛けている。

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